病原体

性器ヘルペスという感染症をご存じでしょうか。性器ヘルペスとは、その名の通り性器にできるヘルペスのことで、正式名称は性器ヘルペスウイルス感染症(HSV)です。誰でもかかる可能性があり、感染力も高い感染症で、感染経路は感染者との性交あるいは粘膜接触で、性器の接触のみならず唾液からの感染もありえます。性器ヘルペスに感染し、発症すると、さまざまな症状があらわれます。まず全体の倦怠感や発熱が起こり、次に女性器の外陰部や子宮頚部、男性器は亀頭部分などに水疱や潰瘍がぽつぽつとあらわれます。この水疱や潰瘍は強い痛みやかゆみをともない、女性の場合排尿や歩行に困難をきたす場合もあり、重症な場合には入院での治療を必要とするケースもあります。ヘルペスというと唇にできるものが有名ですが、唇にできたヘルペスが性器に感染したものが性器ヘルペスです。ヘルペスの問題点としては、唇にできた場合にも性器にできた場合にも、再発する可能性が非常に高いことで、何度も同じ痛みを味わうことで苦しむ人もいます。さらに、無症状で発症している可能性も高いので、本人の気が付かないうちに他人へ移すことがあります。症状がでてからは非常に見分けやすいのですが、無症状の場合見分けることは困難であり、気が付かないうちに感染します。最初に症状に気づいた瞬間はゾッとするでしょう。特に見知らぬ相手とのセックスのあとに性器にぶつぶつがあらわれたときには、どんなとんでもない病気を移されたのかと不安になるでしょう。しかし、死に至るような病気ではありませんので安心してください。性器にぶつぶつがあらわれてそのまま放置する人は少ないかと思いますので病院へ行く前提で説明すると、性器ヘルペスの治療には、ゾビラックスという医薬品を使用します。ゾビラックスには軟膏薬と経口薬があり、症状が比較的軽く再発の心配もない場合には軟膏薬を、歩行困難をともなうなど重症で、再発の可能性も高い場合には経口薬を使用します。気になるゾビラックスの効果ですが、実際に病院で治療薬として処方されているので安心であると言えるでしょう。軟膏薬は唇に使用するものと同じ成分ですので、性器に塗布する際にも安全なものであると言えます。ヘルペスの治療薬としてもう一つ有名な医薬品がバラシクロビルと呼ばれるもので、こちらもヘルペスの治療に使われることが多いです。ゾビラックスとバラシクロビル、どちらの効果が高いかは不明ですが、ゾビラックスは経口薬や軟膏、点滴など種類も多いため使用している病院は多いようです。性器ヘルペスは再発しやすい感染症ですが、一度病院へ行き、処方されたゾビラックスを正しく服用することで治る病気です。しかし繰り返すようですがウイルスは完全に消えるわけではなく、免疫力が低下した時などに再発しやすいのが性器ヘルペスの特徴でもあります。今のところワクチンは開発されておらず、予防のみによって防ぐことができます。予防方法はコンドームの使用が最適ですが、唇から性器への感染も認められているので、オーラルセックスの際にも注意が必要になります。注意するといっても無症状であれば見分けるのは困難と言いましたので、100%感染を予防することは難しいと言えます。性器ヘルペスにかかってしまって入院、というのは家族にも会社にも言いづらい深刻な問題です。さらに、何度も再発するとなると相手に移してしまう心配からセックスにも臆病になってしまい、その後に人生に支障をきたす重要な病気になりかねません。性器ヘルペスの疑いがある場合には早急に医療機関を受診し、適切な治療を受け、再発防止に努めていく必要があります。